【競売は安いという幻想】15件以上入札して分かった「現実」とは

「競売物件は安く買える」――そう信じていませんか?

確かに、ネット上には「市場価格より安く買えた」「一戸建てを格安で手に入れた」といった体験談があふれています。
しかし実際に15件以上入札を繰り返した私の結論は、“競売は安い”というのは幻想に近いということです。

この記事では、実際に競売に挑戦して見えてきた「現実」を、リアルな経験をもとにお伝えします。
これから競売を検討している人にこそ、読んでほしい内容です。


目次

競売は「安く買える」とは限らない

よくある誤解が、
「競売=市場より安く買える」という思い込みです。

たしかに、市場価格より低く落札できるケースはあります。
しかし、それは例外的な状況であり、常に安いわけではありません。

実際の入札では、人気エリアや条件の良い物件ほど入札者が増え、
市場価格を上回る高値で落札されることも珍しくありません。

また、
「この物件は人気がないだろう」と思っていたら入札が殺到して高騰したり、
逆に「入札が多いはず」と読んだ物件が、まさかの1件のみで格安落札されていたということもあります。

つまり、競売は――

✔ 落札価格が読めない
✔ 市場理論が通用しないことがある
✔ タイミングと運に大きく左右される

という、不確実性の高い世界です。

どれだけ相場や不動産知識があっても、
「確実に安く買える」わけではないことのが競売です。


落札しても「現金一括」支払いが原則

競売の最大の壁は、支払い条件が極めて厳しいこと。
それが「現金一括払い」です。

落札が決定すると、わずかな期間(おおむね約1〜2週間)で全額を納付しなければなりません。
もし期限までに支払えなければ、入札時に預けた保証金(通常は入札額の20%)が没収されます。

もちろん、銀行融資を利用することも可能ですが、
競売物件は「担保評価が不明確」「占有者のリスクがある」ため、金融機関の審査が非常に厳しく、
融資実行までに間に合わないケースが多いのが実情です。短い期間に借入を行うには、日頃から金融機関との付き合いがなければ難しいです。

つまり、競売に参加するには、多額の自己資金を即時に動かせる体力が必要。
表面的には“安く見える”競売ですが、実際には資金面でのハードルが極めて高い投資法なのです。


競売は「時間と労力をかけても報われない」こともある

私はこれまでに15件以上の競売に入札しましたが、実際に落札できたのはわずか数件。

競売では、入札前の調査が非常に重要です。
登記簿を取得し、所有権や抵当権の履歴を確認し、
物件の現地調査や周辺環境のチェックも行う必要があります。

しかし、これらの調査にはそれなりの時間と労力がかかります。

それでも、入札して落札できなければ、その努力はすべて“ゼロ”になります。
何十時間もかけて調査した結果、「落札できませんでした」で終わることも珍しくありません。

つまり、競売は「努力=成果」にならない世界。
報われるかどうかは、最後まで分からない――それが最大のリスクです。


「不労所得」ではなく「苦労所得」

不動産投資というと、“不労所得”という言葉がセットで語られます。
ロバート・キヨサキの『金持ち父さん 貧乏父さん』を読んで、「自分も家賃収入で自由になりたい」と思った人も多いでしょう。

しかし、競売物件の現実はまったく違います。

落札後も、

  • 残置物の処理
  • 占有者との交渉
  • 修繕・原状回復
  • 管理業務やクレーム対応

など、やることは山のようにあります。

トラブルを避けるには法律知識が必要で、修繕を外注すればコストもかかる。
「苦労してようやく得られる所得」――つまり“苦労所得”が実態です。

競売は決して“楽して儲かる”仕組みではありません。
むしろ、労力とリスクを背負ってはじめて成り立つ投資手法なのです。

裁判所に落札金額を現金納付すれば、所有権の移転はしてくれます。しかし、鍵の受け渡しはありませんし、不動産は場合によってはごみ屋敷です。マンションであれば、管理費や修繕積立金を未納にしていることもあります。そういったトラブルをこれから対応していくので、結構な労力が必要となります。


競売は“宝くじ”に近い

ここまでの話をまとめると、競売は「当たれば大きいが、外れる可能性の方が高い」――つまり宝くじに近い世界だと思います(現実の宝くじよりはあたる可能性はたかいですが)。

  • 競売物件は安いとは限らない
  • 支払いは現金一括、融資は難しい
  • 入札しても落札できないリスクが高い

運とタイミングが合えば、確かに“お得に買える”こともあります。
しかし、そうした成功事例はあくまで一部。

実際には、時間・労力・資金を投じても結果が出ないことがほとんどです。
だからこそ、「競売は安い」という言葉を鵜呑みにしてはいけません。

本当に競売をやるなら、
「買えたらラッキー」くらいの心構えがちょうど良いのです。


まとめ|“幻想”に惑わされず、現実を直視する

競売には夢があります。
しかし、それ以上に“現実”があります。

確かに、タイミングが合えば安く買えることもありますが、
それはあくまで例外であり、再現性は極めて低いです。

「競売=安い」「不動産=不労所得」
――この2つの幻想を信じたまま動くと、
時間もお金も失うリスクが高い。

競売に挑戦するなら、まずは「知識と体力の投資が必要な世界」だと理解しておくべきです。
それが分かったうえで挑む人だけが、チャンスをつかめると思います。

不動産投資の本では競売で不動産を手に入れたと記してあるものもありますが、過去は落札しやすかった時期もありますが、年々競争が激しくなり、落札することは難しくなってます。


「安く買えば勝てる」は、思ったほど簡単ではない

不動産投資の世界では、「競売なら安く買える」と言われることがあります。

確かに、市場価格より安く取得できるケースは存在します。

しかし実際には、多くの人が同じことを考えています。


「安く買いたい」
「利回りを取りたい」
「掘り出し物を見つけたい」

そう考えた投資家が競売に参加するため、結果として価格が吊り上がることも少なくありません。


つまり、

👉 「安く買える前提」

そのものが、思惑通りにいかないケースも多いということです。


また、不動産投資は、

👉 “買えなければ始まらない”

という特徴があります。

株式投資であれば、少額からでも分散して始めることができます。

しかし、不動産は基本的に一度に大きな資金が必要になります。


しかも、購入できるのは基本的に一人だけです。

どれだけ知識があっても、

  • 条件が合わない
  • 他の投資家に競り負ける
  • 融資が通らない

といった理由で、そもそも物件を取得できないケースも珍しくありません。


そうなると、

👉 資金だけが遊んでしまう

状態になることもあります。


もちろん、知識そのものは重要です。

ただ、不動産投資は、

👉 「知っていれば勝てる」

ほど単純ではありません。


だからこそ、

  • 資金力
  • タイミング
  • 市況
  • 金利
  • エリア
  • 融資環境

など、多くの条件が重なって初めて成立します。


つまり、不動産投資は、

👉 「理解していること」

と、

👉 「実際に成立すること」

の間に、かなり大きな差がある世界でもあります。


その意味でも、個人的には、

👉 “誰でも同じように再現できる投資”

ではないように感じています。


補足:競売の落札者について

以前、競売の傾向を調べるために、首都圏の裁判所へ通っていた時期があります。
前職時代、落札結果などを確認するために裁判所へ足を運び、資料をコピーしながらデータを取っていました。
どのような物件に入札が集まり、どの価格帯で落札されているのかを、一定期間継続して見ていた形です。

現在は状況が変わっている可能性もありますが、当時は上場企業を含む法人が参入しているケースもありました。
競売というと、「安く買える」というイメージを持たれやすいですが、実際には、資本力・情報量・経験を持つプレイヤーも存在します。

そのため、一般人が簡単に優位に立てる世界ではないと感じていました。
もちろん、すべてのケースがそうとは限りません。ただ、自分自身でも実際に入札してみて感じたのは、「知識さえあれば勝てる」というほど単純な世界ではない、ということです。




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この記事を書いた人

現役公務員として働きながら、資産形成やキャリア形成について発信中。30代で職業訓練校を経て公務員へ転職した実体験から、「遅く始めても人生は変えられる」をテーマに、勉強法やお金の知識、安定した収入を活かした堅実な資産づくりをわかりやすく紹介しています。

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