電験三種を取得すると、
電気設備の保守や点検を自分で請け負うという選択肢が現実的になります。
これは大きな価値です。
会社に属さずに仕事ができる「カード」を持てるという意味では、
人生の選択肢は確実に広がります。
ただし、ここで大切なのは、
『独立できること』 と 『独立したほうが得かどうか』
は、まったく別の話だということです。
会社員をやめると、まず「社会保険の構造」が変わる
会社員のときは意識しにくいですが、
社会保険料の約半分は会社が負担しています。
独立すると、この「会社負担分」がなくなり、
健康保険・年金・労災・国保などをすべて自分で負担することになります。
見た目の売上が同じでも、
手元に残る金額は会社員時代より少なくなることも珍しくありません。
独立後は「技術者」であると同時に「経営者」になる
独立して保守業務を請け負う場合、
- 仕事を取る
- 見積を出す
- 売上を立てる
- 経費を管理する
- 利益を残す
という一連の流れをすべて自分で回します。
そのため、
決算書や収支の感覚が分からないと、正しい判断ができない場面が増えます。
- いくら稼げば生活できるのか
- どこまで経費を使っていいのか
- 設備投資は妥当か
こうしたことを、数字で考える必要が出てきます。
「休めない」というリスクも現実的に考える必要がある
会社員であれば、
- 週休2日
- 有給休暇(20日/年)
- 祝日
- 年末年始
を組み合わせると、
実際の勤務日数は年間で220〜230日ほどになります。
独立すると、この「休みの保証」はなくなります。
仕事量によっては増えることも減ることもありますが、
緊急対応や呼び出しが入る可能性がある以上、
時間のコントロールは会社員より不確実になります。
福利厚生(家賃補助・健康診断・退職金など)も基本的にはありません。
一部は経費化できますが、構造は別物です。
税務・法人化・事故リスクはすべて自己責任になる
独立すると、
- 個人事業主にするか
- 法人化するか
を自分で選び、
税務申告も自分で行うか税理士に依頼します。
税理士の選定も含めて、
すべて「自分で決めて、責任を取る」世界になります。
また、電気を扱う以上、
事故やケガのリスクもゼロにはなりません。
会社員であれば、
病気やケガのときに給与保障や休業補償がありますが、
独立すると、止まった瞬間に収入も止まる構造になります。
だからこそ、「選択肢として持つ」ことがいちばん強い
電験三種は、
- 独立することもできる
- 会社に残ることもできる
- 条件交渉の材料にもなる
という、複数のカードを同時に持てる資格です。
問題になりやすいのは、
「独立できる=すぐ独立したほうがいい」と短絡的に結びつけてしまうことです。
実際には、
安定した会社員という土台の上に、独立というカードを持っている状態
このポジションこそが、いちばんリスクが低く、自由度が高いとも言えます。
私自身も、かつては独立という言葉に強く惹かれていた時期がありました。
会社に縛られずに働けること、裁量がすべて自分にあることは、確かに魅力的に見えます。
ただ、実際に数字や生活への影響を冷静に考えてみると、
「今の安定を捨ててまで踏み出すべきか?」という問いに、簡単には答えが出ませんでした。
その結果、私は
独立する・しないをいつでも選べる立場にいること
その状態を選びました。
独立するかどうかは、本当に人それぞれです。
正解も、不正解もありません。
ただ、「いつでも選べる側でいる」こと自体が、
ひとつの大きな強さになる──
今は、そう感じています。
そうした選択権を持てるだけでも、精神的にゆとりは持てると考えています。
まとめ
電験三種は、「自由」をくれる資格です。
でもその自由は、「責任」や「不確実性」とセットでもあります。
- 今の生活を否定しなくていい
- 急いで独立する必要もない
- でも、カードを持っていることは強い
資格の価値は、
「すぐ独立するため」ではなく、
「選べる立場になるため」にあるのかもしれません。
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