電験三種に合格し、エネルギー管理士(電気)まで取得した人にとって、次のステップとして自然に浮かぶのが「電験二種」ではないでしょうか。
私も同じ道を辿り、次のステップとして「電験二種を取得しよう」と考えました。
しかし実際に調べて、検討していく中で、私は筆記試験ではなく「認定ルート」で取得するという選択をしました。
この記事では、私がそう決断した理由をお伝えします。
電験二種とは?筆記と認定の2つの取得ルート
電験二種(第二種電気主任技術者)は、電圧が17万ボルト未満の事業用電気工作物(発電所・変電所・工場など)の工事、維持、運用の保安監督を行うことができるそれなりに難しい国家資格です。電気に携わる仕事をする技術者にとっては将来取得したい資格の一つだと思います。
この資格には、2つの取得ルートがあります。
- 筆記試験による取得
- 認定(実務経験による申請)による取得
どちらを選んでも最終的に得られる「資格の効力」は同じです。
しかし、働きながら挑戦する社会人にとって、この選択は非常に重要な分岐点になります。
筆記試験は1,000〜1,500時間が目安|社会人には現実的に厳しい
電験二種の筆記試験は、電験三種の知識を前提とした上で、さらに難易度が大幅に上がる試験です。
多くの合格者の声を調べると、「1,000〜1,500時間の勉強が必要」と言われています。もしかしたら私は取得にもっとかかるかもしれません。
これは、仕事をしながらだと1日3時間×1年以上の学習量に相当します(たぶん最低2年はかかると思います)。
電験三種と重なる範囲もありますが、出題範囲は広く、より深い理論理解と応用力が問われるため、気力と継続力が試されます。
私も最初は筆記での挑戦を考えていましたが、
「試験のための勉強」にこれだけの時間を費やすことが、今の自分に本当に合っているのか?と疑問を持つようになりました。
筆記合格=即戦力ではない|実務スキルは別軸
電験二種は非常に高難度の資格ですが、筆記試験に合格しても実務スキルが上がるとは限りません。
なぜなら、試験内容はあくまで理論・法規・計算など、机上の知識に偏っているからです。
ですが実務の現場では、
- 設備トラブル時の対応判断
- 作業員との安全確認・調整
- ラダー図やシーケンスの理解
といった「実践力」が求められます。
筆記合格は確かに名誉なことですが、資格を取った瞬間にこれらができるようになるわけではありません。
私自身、「資格よりも現場での経験を深める方が、今の自分に必要だ」と感じました。
特に公務員として設備管理に関わる立場ですが、机上の空論の知識よりも実務的な知識の方が重要だと考えています。
公務員には資格手当がない|努力が評価につながらない現実
私が筆記を避けた大きな理由の一つが、公務員には資格手当がないという点です。
民間企業であれば資格によって昇給・手当がつくこともありますが、
公務員の場合、電験二種を取得しても給与が上がるわけではありません。
昇進・昇格の評価においても、資格より「職務実績」「チーム貢献度」「人間関係構築力」等が重視される傾向にあります。資格取得は多少は評価されるでしょうが、労力に対して評価は正直かなり小さいです。
このため、筆記合格に膨大な時間をかけても、
職場評価や収入面で直接的なリターンが得られにくいのが現実です。
認定ルートでの取得を選んだ理由|「現場経験を資格に変える」
電験二種のもう一つの取得方法である認定ルートは、
一定年数の実務経験を積むことで筆記試験を免除し、申請によって資格を得る制度です。
このルートの魅力は、「働きながら経験を積んで資格を得られる」こと。
私の職場(地方自治体)では認定申請をサポートする仕組みがあり、
日々の設備管理・保守業務がそのまま実務経験としてカウントされます。
つまり、「現場で働きながらキャリアアップできる」という点で非常に合理的です。
資格は目的ではなく手段。
「現場経験を資格に変える」という認定の考え方は、自分の働き方に合っていると感じました。
また私の職場では認定取得の実績が多数あり、サポートしていることも挙げられます。
筆記で取らないと「意味がない」と思っていた
かつての私は、「どうせ取るなら筆記で」と考えていました。
しかし実際に働きながら勉強時間を確保するのは簡単ではありません。
休日や仕事後、通勤時間を使って勉強時間するのは正直しんどいです。
家族との時間や体調管理とのバランスも難しくなります。
一方、認定ルートなら実務経験を積みながら自然に資格取得へ近づけます。
現場で得た知識は筆記対策にも応用でき、後々「体系的に学び直す」際の基礎にもなります。
つまり、認定で取っても筆記試験で取っても電験2種は同じというのが私の考えです。
今後の展望|実務を軸に、必要であれば筆記にも再挑戦
現時点では、筆記試験を受ける予定はありません。
ただし、今後さらに実務経験を積み、業務全体を俯瞰して理解できる段階に至れば、
知識を整理する目的で筆記試験に再挑戦することは、選択肢として考えています。
実務で得た経験を理論として整理し直すことは、理解を深めるだけでなく、自分自身の成長にもつながると感じています。
焦って進めるのではなく、あくまで自身のキャリアの進行に合わせて、必要なタイミングで取り組めばよいと考えています。
電験二種については、現時点では認定による取得を前提としています。
これは、実務経験を積みながら段階的にキャリアを構築していくという方針に基づくものです。
一方で、環境や条件によっては、筆記試験による取得を目指すルートも現実的な選択肢となります。
例えば、
- 実務環境が整っていない場合
- 早期取得を優先したい場合
こうした状況であれば、筆記ルートを検討することも十分に合理的です。
重要なのは、どちらの方法が優れているかではなく、
👉 自分の状況で再現可能なルートを選ぶこと
だと考えています。
キャリアは一つの正解に従うものではなく、状況に応じて調整していくものです。
その前提に立つことで、無理のない形で積み上げていくことができると感じています。
まとめ|筆記よりも実務重視、それでも挑戦する価値はある
電験二種は、筆記でも認定でも価値ある資格です。
ただし、働きながら取得をが目指すなら、実務・時間・人生バランスを踏まえた選択が重要です。
- 筆記試験:最低でも1,000〜1,500時間の勉強が必要
- 認定ルート:実務を積みながら現実的に取得可能
- 公務員には資格手当がないため、実務力の向上を優先
- 資格は「目的」ではなく「手段」。どう活かすかが大切
電験二種を「試験のための資格」として終わらせるのではなく、
「経験を証明する資格」として取得する。
これこそ、社会人としての現実的で価値ある選択だと私は思います。
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