「公務員は安定しているから、資産形成は簡単」
「住宅ローンも通りやすいし、不動産投資にも向いている」
こうした言葉を見聞きすることは多いですが、
実際に資産形成を考えるうえで大切なのは、メリットと同時に“制約”も正しく理解しておくことです。
ここでは、特別な投資ノウハウではなく、
公務員が資産形成を考える際に、最初に押さえておきたい前提条件を整理します。
公務員は「社会的信用」が高い。それは事実
まず大前提として、公務員は社会的信用が高い職業です。
- 雇用が比較的安定している
- 収入の見通しが立てやすい
- 金融機関からの評価が高い
そのため、住宅ローンをはじめとして、
比較的高額な融資を受けやすい立場にあるのは間違いありません。
特に、
- 夫婦ともに公務員
- 正規職員で勤続年数が一定以上
といった条件が揃うと、いわゆる「パワーカップル」として扱われ、
銀行側から見れば「ぜひ貸したい顧客」になります。
ただし、ここで一つ注意が必要です。
「借りられる」と「借りていい」は別の話
融資が通りやすいことと、
高額な住宅ローンを組むべきかどうかは、まったく別問題です。
公務員の場合、
- 借りようと思えば借りられてしまう
- 周囲からも「問題ない」と言われやすい
この環境が、かえって判断を難しくします。
しかし現実的には、
- 住宅費が家計を圧迫する
- 選択肢が住宅ローンに縛られる
- 転職・転居・働き方の自由度が下がる
といった状態に陥ると、
資産形成どころか、身動きが取りづらくなるケースも少なくありません。
だからこそ、
高額な住宅ローンを前提にしない
という考え方は、公務員の資産形成において非常に重要です。
住宅価格が上がっても、意味はあるのか?
近年よく聞くのが、
「住宅価格が上がっている」「タワーマンションは資産になる」という話です。
しかし、ここも冷静に考える必要があります。
住居価格の上昇が意味を持つのは、次のどちらかの場合
- 売却する
- 担保にして借り入れをする
このどちらも行わない場合、
価格上昇は“数字上の話”にとどまることが多いのが実情です。
たとえば、
- 子どもの学区の関係で売れない
- 住み続ける前提で購入している
こうした場合、
市場価格が上がっていても、実生活への影響は限定的です。
返済時点で
「市場価格 > 借入残高」
となっていることは、心理的な安心材料にはなります。
ただしそれは、
実現益ではなく、あくまで含み益です。
外的要因(景気・金利・人口動態)によって状況が変わる可能性もあり、
将来を確実に保証するものではありません。
公務員の資産形成は「住宅費のコントロール」が鍵
結論として、公務員の資産形成で最も重要なのは、
住宅費をどこまで抑えられるか
です。
- 住宅費が抑えられている
- 毎月の固定費が軽い
- 可処分所得に余裕がある
この状態を作れると、
- 貯蓄
- NISAなどの積立
- 学び直し・スキルアップ
といった選択肢が一気に広がります。
逆に、
住宅費が重い状態で固定されると、
どんな制度や投資手法を知っていても、動ける幅は限られてしまいます。
ただし「正解」は人それぞれ違う
ここまで書いてきましたが、
すべての人に同じ正解があるわけではありません。
- 家族との暮らし
- 住環境の満足度
- 人生で何を大切にしたいか
これらによって、
「住宅にどこまでお金をかけるか」の答えは変わります。
大切なのは、
周囲の価値観や銀行の評価ではなく、
自分自身の人生設計と照らし合わせて判断すること
です。
まとめ|公務員の「信用」は、使い方を誤らないことが何より大切
公務員という立場は、
- 社会的信用が高い
- 金融機関から融資を受けやすい
という、非常に大きな強みを持っています。
ただし、この「信用」は
使い方を間違えると、かえって人生の選択肢を狭めてしまう
という側面もあります。
特に注意したいのが、次の3点です。
- 高額な住宅ローンを前提にしないこと
- 住宅費を抑えることで、将来の選択肢を残すこと
- 人生の目的や価値観と照らし合わせて判断すること
これらを意識することで、公務員という立場を
資産形成においても「無理なく」「長く」活かすことができます。
重要なのは、
「借りられるから借りる」ではなく、
「借りなくても成立する設計」を考えること です。
不動産の現場で見てきた「最悪のケース」
私は前職で不動産業に携わり、競売物件にも関わってきました。
競売にかけられる物件の多くは、住宅ローンの返済が滞ったことが原因です。
競売に至る人の背景は本当にさまざまで、
- 高収入だった人
- 共働き世帯
- 公務員や大企業勤務だった人
も決して珍しくありません。
共通しているのは、
「少し背伸びをした住宅ローン」 に、
予期しない出来事が重なったケースが多いという点です。
病気、転職、収入減、家族構成の変化――
どれか一つでも歯車が狂うと、
- 数回の返済遅延
- 期限の利益の喪失
- 裁判所を通じた競売
という流れは、驚くほど早く進みます。
最悪の事態は「起きる前」に考えておく
住宅ローンそのものが悪いわけではありません。
ただし、
- 収入が一時的に減ったらどうなるか
- 片方が働けなくなったら耐えられるか
- 想定外の支出が重なっても持ちこたえられるか
こうした 「最悪のシナリオ」を事前に考えているかどうか で、
将来のリスクは大きく変わります。
公務員という安定した立場にいるからこそ、
「大丈夫だろう」と考えがちですが、
実務の現場では その油断が一番危険 だと感じてきました。
公務員の資産形成は「守りを固める」ことから始める
公務員の資産形成において、最も堅実なのは、
- 住宅費を抑える
- 固定費を小さく保つ
- 借入に依存しすぎない
この土台を作ることです。
信用を最大限に活かすとは、
リスクを取ることではなく、リスクを取りすぎないこと。
その意識こそが、公務員という立場を
長期的に守り、活かすためのスタートラインだと思います。
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