「高卒だから、公務員としてのキャリアはここまでだろう」
「どうせ大卒枠の人には勝てない」
公務員を目指す人、あるいはすでに公務員として働いている人の中には、
そう感じている方も少なくありません。
しかし実際には、公務員の世界では学歴だけでキャリアが固定されるわけではありません。
高卒枠(いわゆるⅢ類)で採用されたあとでも、内部試験(昇任試験)を通じてキャリアアップする道が、制度として用意されています。
このページでは、
- 高卒枠で入ると本当に不利なのか
- 内部試験とはどんな仕組みなのか
- どんな人がチャンスを掴みやすいのか
といった点を、現実ベースで整理していきます。
① 高卒で入っても「大卒枠相当(Ⅰ類)」へ進める制度がある
公務員試験には、自治体や官庁によって呼び方は違いますが、概ね次のような区分があります。
- Ⅰ類:大学卒業程度
- Ⅱ類:短大・専門卒程度(近年は廃止されるケースも多い)
- Ⅲ類:高校卒業程度
Ⅲ類(高卒枠)で採用された場合、
初任給や昇格スピードはⅠ類よりも抑えめに設定されていることが一般的です。
ただし重要なのは、一定の勤務年数や実績を積めば「昇任試験(内部試験)」を受けられるという点です。
この内部試験に合格すれば、
- 昇格の区分が上がる
- 昇進ルートや評価テーブルが変わる
- 結果として年収や役職に差が出てくる
といった形で、入口の学歴に左右されないキャリア形成が可能になります。
「最初は高卒枠でも、途中から大卒枠相当の道へ進める」
これは、公務員という職業の大きな特徴の一つです。
② 高卒枠(Ⅲ類)は「入口が広い」という現実的なメリット
Ⅲ類試験は、Ⅰ類と比べると、
- 試験範囲が比較的コンパクト
- 難易度が抑えめ
- 倍率が落ち着いている(傾向がある)
といった傾向があります。
そのため、
- できるだけ早く安定した職に就きたい
- 働きながら将来の選択肢を広げたい
という人にとっては、非常に現実的な入口でもあります。
よくある誤解として、
「高卒枠で入る=その時点でキャリアが固定される」
というものがありますが、実際はそうではありません。
むしろ、
まずⅢ類で入る → 現場で経験を積む → 内部試験で昇格を狙う
という戦略を取っている人も、決して少なくありません。
※ただし、Ⅲ類を受験には年齢制限がある場合があります。そのため、受験資格を満たしていたいと受験することはできません。
③ 同じ仕事でも「昇格スピード」で差がつく現実
一方で、現実的な注意点もあります。
同じ部署・同じ仕事をしていても、
- Ⅰ類採用の職員は昇任が早い
- Ⅲ類採用の職員は昇任まで時間がかかる
といった差が出るケースは、実際に存在します。
そのため、
「仕事量は同じなのに、待遇が違う」
「評価されていないように感じる」
と感じる人も出てきます。
もしそう感じた場合、
不満を抱え続けるよりも、内部試験に向けて動き始める方が建設的です。
昇任試験は、早めに情報を集め、計画的に準備した人ほど有利になります。
チャンスを先送りにすればするほど、その差は少しずつ広がっていきます。
④ キャリアを分けるのは「学歴」よりも「動いたかどうか」
公務員の世界を見ていて感じるのは、
最終的に差を生むのは学歴よりも行動量だということです。
- 内部試験に挑戦する
- 資格取得や研修に前向きに取り組む
- 配属先で地道に評価を積み上げる
こうした行動を積み重ねた人は、確実に次のステージへ進んでいきます。
一方で、
「どうせ高卒だから」
「今さら頑張っても変わらない」
と考えてしまった瞬間に、キャリアは止まります。
大卒だから安泰というわけでもなく、
高卒だから不利と決まっているわけでもありません。
制度を知り、使い、動いた人が結果を出す
それが、公務員という職場の現実です。
⑤ 内部試験対策は「独学が基本」
試験の大きな特徴として、
出題内容・形式が自治体によって異なる点が挙げられます。
- 法律・条例の比重
- 専門知識の範囲
- 論述・小論文の有無
- 面接の比重
これらは一律ではありません。
そのため、一般的な対策本や講座よりも、
自分の自治体の過去問・出題傾向を把握することが最優先になります。
内部試験では、
「内部の人間だから簡単にしてもらえる」
ということは基本的にありません。
Ⅰ類と同等、もしくはそれに近いレベルの試験が課されることも多く、
過去問を軸にした対策が欠かせません。
面接がある場合は「内部リソース」を使う
もし内部試験に面接が含まれている場合、
外部の面接対策サービスを探すよりも、
内部の人に相談する方が現実的なケースが多いです。
たとえば、
- 上司や先輩に相談する
- 以前、内部試験を受けた人に話を聞く
- 業務内容をどう説明すればいいか意見をもらう
といった形です。
内部事情を理解している人の視点は、
市販の面接対策よりも実践的なヒントになることがあります。
もちろん、忙しさや人間関係の事情もありますが、
「相談できる環境がある」という点も、公務員組織の強みの一つです。
内部試験対策の基本は、この3点
内部試験の勉強を進めるうえで、軸になるのは次の3点です。
① 過去問・出題傾向の把握
まずは、過去にどんな問題が出ているのかを把握すること。
これがない状態で勉強を始めると、方向性を誤りやすくなります。
② 日常業務と結びつけた理解
内部試験では、机上の知識だけでなく、
「実務をどう理解しているか」が問われることも多いです。
普段の業務と結びつけて考えることで、
知識が定着しやすくなります。
筆記試験で問われなくても、面接試験があれば自分自身の言葉で業務を説明することになります。
③ 計画的な学習
一夜漬けが通用しにくいのが内部試験です。
試験日から逆算し、無理のない計画を立てることが重要です。
まとめ|内部試験は「特別な対策」より「地に足のついた準備」
内部試験は、
裏技や近道がある試験ではありません。
- 自治体ごとの過去問を使い
- 日常業務と結びつけて理解し
- 働きながら計画的に積み上げる
この積み重ねが、結果につながります。
派手さはありませんが、
内部試験は独学でも十分に戦える試験です。
焦らず、自分の立場と環境に合った準備を進めていくことが、
いちばん確実な対策だと考えています。
まとめ:高卒枠でもキャリアは作れる。鍵は「早めに動くこと」
- 高卒枠(Ⅲ類)で入っても、内部試験で上を目指せる
- 入口は違っても、途中から同じ土俵に立つことは可能
- 不満を感じたら、行動に変えた人が強い
公務員の魅力は、「入って終わり」ではなく、
入ってからもキャリアを選び直せる仕組みがあることです。
今の立場に違和感があるなら、
それは次のステップを考えるサインかもしれません。
「いつか」ではなく、「今」情報を集め、準備を始める。
それが、将来の選択肢を広げる一歩になります。
※制度や昇任試験の内容は、自治体・官庁・年度によって異なります。
※必ず所属先・人事担当・公式資料で最新情報をご確認ください。
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