「毎日がつらい」「会社に行くこと自体が苦しい」
それでも、「辞めたら生活が成り立たないのではないか」と不安を感じ、無理を続けてしまう人は少なくありません。
特に、長時間労働や職場環境の問題が重なった状況では、心身の不調を抱えながらも、選択肢が見えなくなってしまうことがあります。
この記事では、うつ病などの精神的な不調により働くことが難しくなった場合に利用できる、日本の公的支援制度について、制度の概要と注意点を中立的な立場で整理します。
※特定の行動を勧めるものではなく、「知っておくための情報提供」を目的としています。
まず知っておきたい制度:傷病手当金(会社員向け)
会社員の多くは健康保険に加入しています。
その健康保険から支給される制度のひとつが「傷病手当金」です。
制度の概要
業務外の病気やケガにより働くことができない場合、一定の条件を満たすことで、生活費の一部を補填する目的で支給されます。
主な支給条件(一般的な例)
• 業務外の病気・ケガであること
• 連続して4日以上仕事を休んでいること
• 休業期間中に給与の支払いがない、または減額されていること
• 医師が「労務不能」と判断していること(診断書が必要)
支給内容
• 支給額:おおよそ標準報酬日額の約3分の2
• 支給期間:最長1年6か月
この制度により、休職期間中も一定の生活費を確保しながら、治療に専念することが可能になります。
※支給の可否や金額は、加入している健康保険や個別の状況によって異なります。
退職後に検討されることの多い制度:失業保険(雇用保険の基本手当)
退職した場合、次に検討されるのが雇用保険(いわゆる失業保険)です。
精神疾患などにより就職活動が制限される場合、ハローワークでの判断によって、「就職困難者」として扱われることがあります。
就職困難者と認定された場合の一例
• 給付日数が通常より長くなる可能性がある
(例:最長300日程度になるケース)
認定に関して一般的に必要とされるもの
• 医師の診断書(療養が必要であることの記載)
• 障害者手帳、または医師の意見書等
• ハローワークでの面談・判断
傷病手当金の支給期間終了後に失業保険へ移行することで、生活費の空白期間を減らせる場合があります。
※認定基準や給付内容は個別判断となります。
職業訓練(ハロートレーニング)という選択肢について
失業保険の受給期間が一定以上残っている場合、職業訓練(公共職業訓練)を受講できるケースがあります。
一般的な特徴
• 訓練期間中も失業給付が継続される場合がある
• 条件により、交通費や教材費の一部が支給されることがある
• 再就職に向けた基礎的なスキル習得を目的としている
傷病手当金 → 失業保険 → 職業訓練
という流れで制度を利用した場合、一定期間、生活の基盤を保ちながら回復や学び直しを行うことが可能になる場合があります。
※失業給付の延長のみを目的として訓練校を利用することは推奨されていません。
制度の趣旨は「再就職に向けた準備」です。
制度利用にあたっての注意点
どの制度も共通して言えるのは、無期限ではないということです。
また、無職期間が長くなる場合、再就職活動において「この期間は何をしていましたか?」と問われることがあります。
• 治療に専念していた
• 体調を考慮しながら学び直しをしていた
など、目的を持った期間として説明できる状態であることが、結果的に役立つ場合もあります。
そのため、
• 無理に働き続ける
• 完全に何もしない期間を長くする
のどちらかに偏るのではなく、回復と準備のバランスを考えることが重要になります。
「辞めない選択」だけが正解ではない
職場環境が原因で心身の不調が続く場合、
「辞めたら迷惑をかけるのではないか」「逃げだと思われるのではないか」
と自分を責めてしまう人もいます。
しかし、体調を大きく崩してしまうと、回復には長い時間がかかることもあります。
制度を利用して一度距離を置くことは、将来の選択肢を守るための準備期間と捉えることもできます。
特に中小企業では、人手不足や職場環境の問題から、体調を崩したあとに同じ環境へ戻ることが難しいケースも見られます。
制度は「人生を立て直すための時間」を確保するもの
傷病手当金や失業保険、職業訓練などの制度は、
人生のすべてを解決してくれるものではありません。
ただし、
• 回復するための時間
• 次の方向性を考える余裕
を確保するための「猶予」を与えてくれる仕組みではあります。
最終的にどの道を選ぶかは、人それぞれ異なります。
大切なのは、「選択肢があることを知った上で判断すること」です。
まとめ|制度を知ることは、自分を守る準備になる
• 傷病手当金:最長1年6か月
• 就職困難者としての失業保険:最長300日程度(条件あり)
• 職業訓練:再就職に向けた準備期間として活用できる場合あり
これらを組み合わせることで、焦らず回復と再出発を考える時間を確保できる可能性があります。
働き続けることだけが「正解」ではありません。
制度を正しく理解した上で、自分の状況に合った選択を考えることが重要です。
※職業訓練校の具体的な内容や活用の考え方については、別記事で整理しています。
興味のある方は、そちらも参考にしてください。
※本記事は、筆者自身の体験および公的制度・一般的な情報をもとに整理した内容です。
特定の働き方や転職、サービスの利用を推奨・保証するものではありません。
体調や状況、置かれている環境によって最適な選択は異なるため、最終的な判断はご自身の責任で行ってください。※公的制度(職業訓練・給付金・手当等)は、法改正や自治体判断により内容が変更される場合があります。
※必ずハローワーク・自治体・公式窓口で最新情報をご確認ください。
職業訓練校の活用方法について知りたい方はこちらへ👇

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