私が警察官を受験したのは、20代後半の頃です。
予備校にも通い、筆記対策・体力試験対策も行いました。
一次試験は通過し、いよいよ二次面接へ。
しかし結果は 不合格 でした。
当時の私は、正直言って「なぜ落ちたのか」まったく理解できませんでした。
自分なりに努力し、準備もしていたつもりだったからです。
「頑張ったのだから報われるはずだ」と本気で信じていました。
けれど、今振り返ると、それが最大の勘違いだったと分かります。
警察学校を見学して感じた“現場の空気”
二次試験の過程で、警察学校に行くことになりました。
説明会では言われなかった、いわゆる 「縦社会」 の現実を、そこで初めて目の当たりにしました。
- 上下関係の厳しさ
- 礼儀・規律の徹底
- 体育会系の雰囲気
- 私語の無い空気
私はこの段階で 「自分は現場のノリが合わないかもしれない」 と感じ始めました。
説明会の時は、もっと柔らかい印象だったのですが、実際の現場は全く別物でした。
さらに印象的だったのは、殉職者の慰霊碑を見せられたことです。
「この仕事は、時に命を懸ける仕事だ」
「仕事で死ぬ可能性もあるのか」
という現実を目の前に突きつけられました。
もちろん、それが悪いという話ではありません。
ただ、「かっこいい」「正義の仕事」というイメージだけで入る世界ではない、と理解しました。
当時の面接の私は「覚えた答えを読み上げるだけ」だった
今思えば、落ちるべくして落ちたと言っていいかもしれません。
当時の私は、面接のことが何も分かっていませんでした。
- 回答をまるごと丸暗記
- 質問が変わると何も言えない
- とにかく「良い人に見せたい」だけ
- 自分の言葉では話していない
「努力すれば伝わる」と信じていた自分が、いちばん見えていなかったのです。
努力した、頑張った、気持ちはある。
でもそれは 相手には関係がない。
これは時間の経過ととも気づいたことですが、
伝わるのは “準備” ではなく “整理された言葉” です。
「警察に向いていない資質を見抜かれた」と思っていたが…
不合格後、私はしばらくの間、
「自分には警察官の資質がなかったのだ」
と思い込んでいました。
しかしそのあと、私は民間企業で働いていく中で、
色々な職場や人間関係を見てきました。
その中で、価値観は大きく変わりました。
もし警察の面接が「人の資質を完璧に見抜ける」ものだとしたら――
- 警察学校で大量に辞める人は出ませんし
- 現場でメンタル不調になる人もいませんし
- 不祥事を起こす職員も存在しないはずです
しかし現実は、そうではありません。
どの組織にも、向いている人もいれば向いていない人もいる。
それは警察だろうが、役所だろうが、会社だろうが同じです。
つまり、
「警察官だから見抜ける」のではなく、
「警察も普通の組織であり、人間の集まり」なのです。
警察官の面接は“運”ではなく“対策で変わる”
ここが一番大事な結論です。
私は当時、
「頑張ったんだから受かる」
「気持ちは伝わるはず」
と考えていました。
しかし 面接は気持ちを評価する場ではありません。
- どう考えるか
- なぜそう考えるか
- それをどう言語化できるか
この3つが整理されているかどうかを見る場です。
面接は「試験」です。
試験であるから、当然対策はありますし、
相手が求めている回答、人物像は存在します。
つまり、
警察官の面接といえど、“対策”はある ということです。
敵を知らず、準備せずに挑めば落ちる。
逆に、相手が何を見ているか、考えているのかを理解し、対策すれば合格できる。
これは、警察に限らず すべての公務員面接に共通します。
警察官は「特別な人だけがなる職業」ではない
ここは誤解されやすい部分なので、丁寧に整理しておきたいポイントです。
警察の仕事は、
「地域を守り、社会の安心を支える」重要な役割を担っています。
この点に疑いはありません。
一方で、警察組織は多様な人材で構成されており、
特別な一部の人だけが採用されているわけではありません。
- あらゆる背景の人が応募する
- 選考では一部の資質だけを見極めるのではなく、総合的に評価される
- 「求められる役割に合うかどうか」という相性が重要
こうした特徴があります。
つまり、
「完璧な人だけが目指せる職業」ではなく、
さまざまなタイプの人が活躍できる可能性のある仕事と言えます。
もしこれから警察官を目指す人へ
結論はシンプルです。
面接は「暗記」ではなく「会話」です。
- 自分がなぜ警察官になりたいのか
- なぜ自治体ごとなのか
- 過去の経験の中から、どんな“行動”を示せるのか 等
この3つを 自分の言葉で話せる状態 にすること。
テンプレートで暗記した内容を話してはいけません。
そしてもうひとつ。
“雰囲気” が合うかどうかは、見学しないと分かりません。
説明会は、あくまで説明会です(お客様対応です)。
現場の空気は、現場でしか分かりません。
だからこそ、自分の目で見ること が大切です。
最後に:落ちた経験は無駄ではなかった
あの時落ちたことは、当時の私にとってただの挫折でした。
でも今振り返れば、それは 自分の価値観と合わない場所へ進まなくてよかった ということでもあります。おそらく辞めていたと思います。
結果的に私は、別の道を選び、違う公務員として働きながら、自分に合う働き方を見つけることができました。
人にはそれぞれの道があります。
もしあなたが警察を目指すなら、
その選択を否定するつもりはありません。
ただし、
「かっこいいから」「正義の仕事だから」だけでは向き合いきれない世界
だということだけは、同時に知っていてほしい。
そして、
面接は“運”ではなく“準備”で変えられます。
努力は無駄になりません。
ただし、正しい方向に積み上げることが大切です。
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