一見不思議ですが、実は理にかなっています。
「公務員から公務員に転職する人って、意外と多いんですよ」
この話をすると、多くの人が驚きます。
「せっかく安定した職にいるのに、また公務員?」
「わざわざ環境を変える意味あるの?」
そう思うのも無理はありません。
しかし、実際に公務員の転職市場を見ていると、公務員→公務員というケースは決して珍しくありません。
私自身、最初は違和感を覚えましたが、今ではその理由がよく分かります。
私も転職するとしたら、公務員になると思います。
公務員の性質上、保守的な人が多い
まず第一の理由は、公務員という職業に就く人の特性です。
公務員になる人は、総じて「安定志向」や「堅実志向」の人が多い傾向にあります。
長期的に同じ組織で働きたい、安定した収入と環境を重視したい――。
そうした価値観を持つ人が多いため、転職を考えるときも、
“未知の民間企業”より“同じ公務員組織”を選ぶという判断をしがちです。
つまり、リスクを取るよりも、今の延長線上でキャリアを築きたいという心理が働くわけです。
私も最初は違和感がありましたが、一回公務員を経験すると民間企業には戻りたくなくなるという気持ちも分かります。知らず知らずのうちに保守的になっていくのかもしれません。
公務員試験の経験が「転職の強み」になる
もう一つの理由は、再び公務員試験を受けるハードルが低いということ。
民間企業への転職では、職務経歴書の作成や面接での自己PR、ビジネススキルの証明などが必要ですが、
公務員試験は基本的に「筆記+面接」という構成。
すでに一度経験している人にとっては、
「対策の型がわかっている」=攻略しやすいのです。
加えて、近年は「経験者採用枠」や「社会人枠」が拡大しており、
過去の公務員経験が評価され、給与に反映される傾向にあります。
同じ公務員としての実務経験が、そのまま次の自治体や省庁で活かせる――
これも大きな魅力です。
民間企業に戻りにくい「構造的な理由」もある
公務員から民間企業へ転職しにくい理由は「働き方・評価軸・待遇」の違いにあります。公務員は組織として安定性を重視しており、勤務評価も「成果よりも継続性や手続きの正確さ」が中心です。一方、民間企業は効率や利益貢献が求められ、成果主義やスピード感のある働き方が一般的です。長く公務員として働いた人の多くは、この文化の差に適応することが難しくなります。
また、給与や福利厚生の水準も民間と比べて安定しており、転職すると収入や休暇制度が下がる可能性があります。さらに、公務員の業務は「行政運営」「調整」「文書作成」といった汎用的なスキルが中心のため、民間企業で求められる“即戦力スキル”として評価されにくい側面があります。
特に30代後半以降になると、未経験分野への転職は難易度が上がり、収入や条件が大きく下がることも珍しくありません。その結果、現実的なキャリア選択として「公務員→公務員」という転職ルートが選ばれやすくなるのです。安定を保ちつつ環境だけを変える。この選択は決して消極的ではなく、合理的な判断と言えます。
公務員間の転職で見込める“メリット”
実は、公務員間での転職には明確なメリットがあります。まず、給与テーブルや福利厚生の水準が大きく変わらないため、生活水準を維持したまま新しい環境へ移ることが可能です。さらに、年金や共済制度なども共通点が多く、制度面での不安が少ない点も安心材料といえます。また、業務の進め方や組織文化も比較的似通っているため、民間企業へ転職する場合と比べて環境変化に伴うストレスが抑えられる傾向があります。たとえば、地方自治体から国家公務員へとキャリアの幅を広げるケースや、逆に地元に根ざした働き方を求めて市役所へ移る例も少なくありません。「勤務地を変えたい」「これまでとは異なる分野に挑戦したい」といった希望を叶えつつ、雇用の安定性を確保できることが、公務員同士の転職における大きな強みといえるでしょう。
まとめ:保守的だからこそ、現実的な選択
公務員から別の公務員へ転職することは、一見すると大きな変化がないように映ります。しかし実際には、現状を維持しながら職場環境や職務内容をより自分に合う形へ調整できるという、非常に現実的なキャリア戦略です。「大きなリスクは避けたい」「これまで培った経験を無駄にしたくない」「将来も安定した基盤の上で働き続けたい」と考える人にとって、公務員間の転職は合理的な選択肢になります。制度や給与水準、勤務文化が近いため、新しい職場でもスムーズに馴染める可能性が高い点も大きな利点です。私自身、当初は「同じ公務員同士で移る意味があるのだろうか」と疑問に思っていました。しかし働き方や人間関係、勤務地といった環境を調整しながら、安定を手放さずにキャリアを再設計できる点に大きな価値があると感じています。公務員という職は、堅実さや継続性を重視する人に向いた仕事です。その強みを活かしながら、自分にとって最適な働き方を探す手段として「公務員から公務員への転職」は十分に選ぶ価値があります。






