インターネットやSNSでは、
「税金で給料をもらっているのに」
「仕事が楽そう」
そんな言葉で公務員が批判される場面を、時々目にします。
でも、実際に中に入ってみると分かります。
公務員は決して“楽な職業”ではありません。むしろ、社会が回り続けるために不可欠な存在です。
そしてもう一つ。
公務員のキャリアを見ていると、外からは不思議に見える現象があります。
公務員の転職先は「公務員」が多い
「せっかく安定しているのに、また公務員?」
そう思うのも自然です。
でも、これも実はかなり理にかなっています。
さらに言えば、公務員は「一度なったら安泰」という単純な世界でもありません。
特に技術職は、入ってからの勉強で差がつきます。
この記事では、次の3つを一つにまとめて整理します。
- 公務員バッシングが起きる理由と、現実の役割
- 公務員→公務員が多い「構造的な理由」
- “安泰”ではない、公務員(特に技術職)のリアル
公務員=社会の基盤を支えるエッセンシャルワーカー
公務員と一口に言っても職種は幅広いです。
警察官、消防士、自衛官、保健師、薬剤師、医師、技術職、行政職、業務職…。
どれも社会が安全かつ平穏に回るために必要な“エッセンシャルワーカー”です。
災害時に現場で命を懸けて救助にあたる消防。
感染症拡大期に住民対応を続ける保健所。
制度を運用し、給付金などの事務を止めない自治体職員。
派手さはないかもしれません。
でも、私たちが「当たり前の日常」を送るために動いているのが公務員です。
もし公務が止まれば、生活はすぐに不便になり、そして不安定になります。
公務員は「安定した職だから価値がある」のではなく、社会を安定させている側にいるから価値がある。
この視点が抜けると、議論はすぐに感情論になります。
「税金で給料をもらっている」だけで叩かれる理不尽
公務員の給与が税金で賄われているのは事実です。
でもそれを理由に「税金で生活している」と切り取るのは本質を外しています。
公務員も民間の労働者と同じように、所得税・住民税・社会保険料を負担します。
つまり「税金を払わず、税金で生きている存在」ではありません。
公務員は、社会を維持するために必要な役割を担い、その対価として税収を原資とした給与を受け取っている。
それだけの話です。
官僚や外交官などの国家公務員も同様で、
法律や制度、外交が機能しなければ生活の土台は崩れます。
社会が円滑に動き続けるために、誰かが基礎を担う必要がある。
公務員はその役割を引き受けているに過ぎません。
コロナ禍でも最前線で働いていたのは公務員だった
2020年以降、社会が混乱した中で、止められない仕事を担ったのも多くの公務員です。
保健所は相談対応・追跡調査・入院調整。
警察・消防・自衛隊は災害対応に加えて防疫や輸送。
市区町村窓口は感染対策をしながら給付金や生活支援を継続。
混乱が最小限で済んだ背景には、現場で淡々と職務を果たした公務員がいました。
この点を無視して「楽そう」と言うのは、現場を知らない言葉になってしまいます。
公務員は「誰でもなれる」オープンな職業でもある
公務員は閉ざされた世界ではありません。
受験資格を満たせば、誰でも試験を受けられます。出身校や家庭環境で門前払いされるものではない。
努力すれば挑戦できる。
だからこそ、合格した人はそれぞれの立場で責任を果たし、社会の基盤を支える側に回ります。
「公務員だから」という理由だけで叩くのではなく、
役割と仕組みを正しく理解することが必要だと思います。
ここからが本題:公務員の転職先は「公務員」が多い理由
一見不思議ですが、実は合理的です。
「公務員から公務員に転職する人って意外と多いんですよ」
この話をすると驚かれます。
「せっかく安定した職にいるのに、また公務員?」
「わざわざ環境を変える意味あるの?」
でも実際、公務員→公務員は珍しくありません。
私自身も、転職するとしたら公務員を選ぶと思います。
なぜそうなるのか。理由は大きく3つです。
理由①:公務員は構造的に“安定志向”の人が集まりやすい
公務員になる人は、総じて安定志向・堅実志向の割合が高い。
長期的に同じ組織で働きたい、安定した収入と環境を重視したい。
そういう価値観が強い人が多いため、転職を考えるときも
“未知の民間企業”より“同じ公務員組織”を選びやすくなります。
一度公務員を経験すると、民間に戻りたくなくなる気持ちが生まれることも分かります。
知らず知らずのうちに保守的になる、というのもリアルです。
理由②:公務員試験の経験が「転職の強み」になる
民間転職では、職務経歴書・面接での自己PR・市場価値の証明が必要になります。
一方、公務員試験は基本的に「筆記+面接」。
すでに一度経験している人にとっては、
「対策の型が分かっている=攻略しやすい」世界です。
さらに近年は、経験者採用枠・社会人枠が拡大し、過去の公務員経験が評価され給与に反映される傾向もあります。
同じ公務員としての実務経験が、そのまま次の自治体や省庁で活かせる。
これは大きな魅力です。
理由③:民間に戻りにくい「構造」がある
公務員から民間へ転職しにくいのは、働き方・評価軸・待遇が違うからです。
- 公務員:安定性重視、継続性と正確さ
- 民間:利益貢献、成果主義、スピード感
長く公務員として働くほど、この文化差への適応が難しくなる人も出てきます。
また、給与や福利厚生が安定しているため、転職で条件が下がる可能性もある。
さらに、公務員の仕事は「行政運営」「調整」「文書作成」といった汎用スキルが中心で、民間の“即戦力スキル”として評価されにくい面もあります。
30代後半以降だと、未経験分野への転職は難易度が上がり、収入や条件が下がることも珍しくない。
その結果、現実的な選択として「公務員→公務員」が選ばれやすいのです。
公務員間転職のメリット:安定を保ったまま環境だけを変えられる
公務員同士の転職には、明確なメリットがあります。
- 給与テーブルや福利厚生が大きく変わりにくい
- 年金・共済など制度面の共通点が多い
- 文化や業務の進め方が近く、適応ストレスが小さい
「勤務地を変えたい」「分野を変えたい」
そういう希望を叶えつつ、雇用の安定性は保てる。
これは消極的ではなく、合理的なキャリア戦略だと思います。
ただし結論:公務員は“安泰”ではない。特に技術職は勉強で差がつく
「公務員になれば一生安泰」
これは半分は幻想です。
特に技術職は、入ってからの学習で差が開きます。
私は技術職として公務員になり、入庁後も勉強を続けてきました。
未経験スタートから
第3種電気主任技術者(電験三種)、エネルギー管理士などの資格を取得し、現在は認定で電験二種を目指しています。
正直、ここまで来るのに時間はかかりました。
簡単な道ではなかった。
でも、努力を続けたことで「自分の居場所」ができた感覚があります。
成長を止めた瞬間に、じわじわ差がつく
公務員は民間ほど数字で評価されない。
でも、日々の仕事ぶりや資格の有無、知識の深さは、普通に見られています。
特に技術職は、資格や知識の差がそのまま業務範囲の差になります。
- 資格を持つ人:信頼され、重要な仕事を任されやすい
- 勉強を止めた人:新しい業務についていけず、任される仕事が減る
評価はすぐに形にならなくても、昇進・昇給のタイミングで見られている。
この感覚は、現場にいると分かります。
技術職には「電験三種は取っていて当たり前」という圧がある
電気職の技術系公務員は、職場に「電験三種は取るよね」という空気があります。
誰かが直接強制するわけではない。でも期待が存在する。
資格がなくても日々の業務はできる。
ただ、設備点検やトラブル対応を経験すると、資格の有無が
- 理解できる範囲
- 任せられる仕事の幅
- 自分の安全
に直結することを痛感します。
電験三種は、設備を理解するための“基礎となる言語”みたいなものです。
早めに取ることは、キャリアを守り、判断力を上げ、最終的に「身を守る力」になる。
勉強を続けると、仕事が「苦痛」から「理解できるもの」に変わる
最初の頃は、シーケンス図やラダー図を見ても正直わかりませんでした。
でも勉強を重ねると、少しずつ「仕事の仕組み」が見えるようになります。
知識が増えると、仕事のストレスが減る。
分からなかったことが分かるようになると、業務は楽しくなっていく。
資格勉強は“仕事を楽しくする手段”でもあります。
ただ資格を取得すれば全て解決ということはありません。
勉強は「保険」になる。安定とは“変化に対応できる力”
公務員でも、環境が変わる可能性はあります。
- 組織改編
- 民営化
- AI化
- 外部委託
そういう変化の中で、生き残るのは「学び続けた人」です。
知識や資格は、あなた自身のキャリア保険。
安定とは、守られていることではなく、
変化に対応できる力がある人が手にできる状態だと思います。
公務員も例外ではありません。
まとめ:公務員は叩かれる側ではなく、社会を回し続ける側にいる
- 公務員は社会の基盤を支えるエッセンシャルワーカー
- 「税金で給料」だけで叩くのは本質からズレる
- 公務員→公務員転職は合理的なキャリア戦略
- ただし公務員は“安泰”ではなく、特に技術職は勉強で差がつく
- 学び続ける人が、最終的に強い
【技術職向け:電験三種の学習ロードマップ】

【事務職向け:教養試験の得点戦略(満点不要・得点源特化)】

【経験者向け:面接の語り(民間経験→公務でどう活かすか)】

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