警察・消防・自衛隊は慎重に選ぶべき ― 憧れだけで飛び込むと後悔する理由

「人の役に立ちたい」「社会を守る仕事に就きたい」。
そうした思いから、警察・消防・自衛隊といった“ヒーロー系公務員”を目指す人は多くいます。
確かに、社会的意義が高く、誇りを持てる仕事です。しかし実際には、憧れだけで続けられるほど甘くありません。

私自身、学生の頃に警察官採用試験を受けたことがあります。筆記を通過し、二次面接まで進みましたが、最終的に不合格。そのときに「この組織は自分には合わない」と感じました。今振り返れば、落ちて良かったと思えます。正直、私には警察官としてやっていく強い覚悟はなかったです。

ここでは、警察・消防・自衛隊を目指す前に知っておくべき現実について、私の体験を交えながらお伝えします。


「覚悟なし」では続かない ― 離職リスクの現実

警察・消防・自衛隊の仕事は、体力・精神力・使命感の3つがそろっていなければ続きません。
昼夜を問わない勤務、突発的な災害対応、緊迫した事件現場――常に“命を守る”緊張感が求められます。

統計上、警察官や消防士の離職率はおおむね1%前後と低い数字が出ています。
しかし、これは「辞めたくても辞められない人が多い」ためだと言われています。
現場では「もう限界」「家族と時間が取れない」といった声も多く、心身の消耗は想像以上。

数字だけを見て「安定している仕事」と判断するのは危険です。
精神的にギリギリの状態で耐えている職員が多いという現実を、まず理解しておく必要があります。


公務員の中には「キャリアの方向性が限定されやすい職種」がある

公務員は全体的に転職が難しいと感じられる場合がありますが、
その中でも キャリアの幅が限定されやすい職種 があるのも事実です。

たとえば、

  • 警察
  • 消防
  • 自衛隊

といった職種では、業務内容が明確に専門化されています。

警察官であれば、交番勤務・地域安全活動・警備・捜査などが中心。

消防職では、火災対応・救急活動・防災訓練が主軸。

自衛隊では、訓練・防衛関連業務・災害派遣など、隊員としての役割が中心になります。

どの職種も社会に欠かせない重要な仕事であり、高い専門性と使命感が求められる点は変わりません。

ただし、そこで身につくスキルが 非常に特化されている ため、民間企業の一般事務や管理部門など、
異なる分野に転職する際には「経験の方向性が合わない」と見なされることがあります。

そのため、これらの職種から別の分野へ移る場合、キャリアチェンジに工夫が必要になる ケースが少なくありません。

大切なのは、それぞれの仕事の価値を認めつつ、
「どのようなキャリアが築きやすいのか」
「将来どのような選択肢が生まれやすいのか」
を理解したうえで進路を考えていくことです。


命のリスクと精神的負担は想像以上に大きい

警察・消防・自衛隊には、常に「命のリスク」が伴います。
火災現場での救出活動、事件現場での対応、災害地での復旧支援――どれも一歩間違えば命を落とす危険があります。

実際、毎年のように殉職者が報道されています。
そのたびに職場全体が重苦しい雰囲気に包まれ、「次は自分かもしれない」という恐怖と隣り合わせで働くことになります。

使命感や責任感が強い人ほど、自分を追い込みやすく、結果としてメンタルを崩すこともあります。
「人を助けたい」という善意は素晴らしいものですが、それだけで続けられる仕事ではありません。
命を懸ける覚悟がないと、途中で心が折れてしまう現実があります。


技術系・専門部署なら道はあるが、完全に安全ではない

警察や消防、自衛隊にも、現場ではなく専門的な技術職があります。
通信・装備管理・電子機器・インフラ整備・整備士など、裏方として組織を支える仕事です。

これらの部署なら体力的な負担は軽くなりやすいですが、完全に安全というわけではありません。
緊急時には現場応援に駆り出されることもあり、リスクはゼロではないのです。

「裏方なら安心」「デスクワーク中心だから安全」と考えるのは危険です。
現場主義の文化が根強く残る組織であることを理解しておく必要があります。

また技術系等は採用が少なく、情報も少ないため、採用選考も難しいかもしれません。


現実的な選択肢は「行政職」や「業務職」の公務員

もしあなたが「安定した仕事に就きたい」「家族と過ごす時間を大切にしたい」と考えるなら、
警察や消防よりも行政職・業務職の公務員を目指す方が現実的です。

行政職や業務職は、事務・企画・会計・人事など幅広い分野に携わることができ、
スキルの応用範囲も広いのが特徴です。

転勤や夜勤が少なく、体力的にも負担が軽い傾向があります。
また、働きながら資格を取得して専門性を高めることも可能です。
将来的に管理職へキャリアアップする道も見えやすく、
「長く安定して働きたい」という人には最も適した公務員職種といえるでしょう。


6. 私自身の体験 ― 警察官試験で感じた違和感

私が警察官採用試験を受けた20代の頃です。
筆記に合格して二次試験を受けに行ったとき、校内の一角に殉職した警察官の慰霊碑がありました。
その光景を見た瞬間、「自分はこの世界で生きていけるだろうか」と感じました。また殉職する可能性も少なからずあるという現実を思い知らされました。

さらに、校舎ですれ違う訓練生が一人ひとり敬礼してくる姿を見て、
規律や警察特有の上下関係の厳しさを肌で感じました。
二次面接の間には、家族の情報を詳細に書き出して提出する書類もあり、
「ここではプライベートまで管理されるのか」と息苦しさを覚えたのを今でもはっきり覚えています。

結果的に二次面接で落ちましたが、今となってはそれが良かったと思っています。
当時の自分には、命をかけて働く覚悟がなかったです。
中途半端な気持ちで入っていれば、きっと続かなかったと思います。


まとめ ― 憧れではなく、覚悟で選ぶ

警察・消防・自衛隊は、社会に不可欠な存在です。
彼らがいるからこそ、私たちは安全で平和な日常を送ることができます。
しかし、その裏側には大きな犠牲と覚悟があります。こうした職業は自己犠牲の精神を大なり小なり持ち合わせていないと難しいかもしれません。

安定やヒーロー性だけを求めて飛び込むと、現実とのギャップに苦しむ可能性が高いでしょう。
もし本気で目指すなら、「命を懸けて守る」という覚悟を持ち、自分がその環境に本当に合っているかを冷静に考えることが大切です。

私自身、あのとき落ちたことで、警察官の道はきっぱりと見切りをつけ、別の道を歩みましたが、今は心から納得しています。
警察・消防・自衛隊は、「憧れ」ではなく「覚悟」で選ぶこと。
それが、後悔しないキャリア選択の第一歩です。

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この記事を書いた人

現役公務員として働きながら、資産形成やキャリア形成について発信中。30代で職業訓練校を経て公務員へ転職した実体験から、「遅く始めても人生は変えられる」をテーマに、勉強法やお金の知識、安定した収入を活かした堅実な資産づくりをわかりやすく紹介しています。

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