【電験三種】パワーエレクトロニクスを“捨ててはいけない”理由と効率的な勉強法

電気主任技術者

電験三種(第三種電気主任技術者)の「機械」科目の中で、最も多くの受験者がつまずく単元——それがパワーエレクトロニクス(通称:パワエレ)です。
「難しそう」「理解できない」「出題数が少ないから後回しでいい」……そう感じていませんか?

しかし、断言します。
パワエレは“捨ててはいけない”単元です。

この記事では、私自身が電験三種の勉強中に経験した失敗と成功をもとに、
パワエレを避けてはいけない理由、そして初心者でも理解できる効率的な学習法を解説します。


パワエレを捨てると10点以上の損失になる

電験三種の「機械」では、ほぼ毎年のようにパワーエレクトロニクスの問題が2問(10点分)出題されます。

「苦手だから捨てる」という人も多いですが、
それは試験開始前から10点を自ら放棄しているのと同じことです。

合格ラインは60点。
つまり、パワエレを捨てた場合、残りの90点中60点を取る必要があり、
この条件での合格はかなりハードになります。

しかも、パワエレの出題はここ数年で安定して高頻度化しており、
得点源にできると他の受験者と差をつけやすい分野でもあります。

したがって、「苦手だからやらない」ではなく、
“10点を取りに行く戦略”としてパワエレを学ぶのが合格への近道です。


テキストだけでは理解できないのが当たり前

私も最初は「これだけシリーズ」などのテキストを使って学習を始めましたが、
正直、1ページ目から意味不明でした。

理由は単純です。
パワエレは「電気をスイッチングして制御する技術」を扱うため、
登場する用語も回路も、初学者にはまったく馴染みがありません。

  • スイッチング素子(トランジスタ・サイリスタなど)
  • インバータ回路
  • チョッパ回路
  • 整流回路・変換効率・波形制御

これらは、教科書を読んでも動作イメージが掴めなければ理解できない領域です。

つまり、「テキストを読んでも分からない」のは当然のこと。
焦る必要はありません。またパワエレは電験三種のテキストで数十ページで扱われていますが、本来はパワエレだけで1冊になる内容です。

パワエレを理解するには、まず動きを“見て理解する”ステップが必要です。


解決策は「YouTube学習」一択

そこで私がおすすめするのが、YouTube講義を活用した学習法です。

最近では、電験三種に特化した講師が分かりやすいアニメーション付きで講義してくれる動画が数多くあります。
中でも特におすすめはこの2つ👇

  • Aki塾長_電験三種チャンネル(特におすすめ)
  • 資格とっ太郎チャンネル

この2つのチャンネルでは、パワエレの動作原理を図解やシミュレーション映像で解説しており、
「なぜそうなるのか」を視覚的に理解できます。

私も最初はまったく分からなかった波形や回路の動きが、
動画で何度も見ていくうちに、
「これはチョッパ動作だな」「この波形はインバータ制御だな」
と自然に判断できるようになりました。

テキストだけでは到達できない“感覚的な理解”が身につくのが、YouTube学習の最大の強みです。


初学者におすすめの勉強の流れ

パワエレを含む「機械」科目を初めて勉強する人は、
次の手順で学習を進めると効率的です。


【ステップ1】YouTubeで全体像を掴む

まずは動画で全体の動作イメージを掴むことから始めましょう。
この段階では「なんとなく分かる」でOKです。

動作原理や波形を“見る”ことで、頭の中にイメージを作ることが目的です。


【ステップ2】テキストで知識を整理する

次に、「これだけシリーズ」などの市販テキストを使って内容を再確認します。
動画で見た内容を文章で復習することで、
「視覚的理解 → 理論的理解」へとつながります。

このステップでは、難しい部分を深追いする必要はありません。
大事なのは、知っている言葉を増やすことです。


【ステップ3】過去問で出題パターンを把握する

最後に、過去問演習です。
パワエレの出題は形式がある程度決まっているため、
過去問を10年分解くことで出題傾向が掴めます。

特に間違えた問題は「なぜ間違えたのか」を明確にして、
解説を読んで納得できるまで繰り返すのがポイント。


勉強の流れまとめ

ステップ内容目的
Step 1YouTube講義を視聴動作イメージを掴む
Step 2テキストで復習理論的理解を深める
Step 3過去問演習出題傾向を掴む・得点化する

この3ステップで学習を進めると、
「理解 → 定着 → 得点化」のサイクルが自然に回ります。


まとめ|パワエレを避けると合格は遠のく

パワーエレクトロニクスは、難解で敬遠されがちな単元です。
しかし、出題頻度が高く、得点配分も大きいため、
避けて通ると合格は遠のきます。

  • 出題頻度が高く、捨てると10点を失う
  • テキストだけでは理解が難しい
  • YouTubeで視覚的に理解すれば得点源に変わる

この3点を意識して学習を続ければ、
苦手意識が強かったパワエレも、
やがて「得点源」へと変わります。

根本的な理屈まで理解できなくても、
“試験で点を取るための理解”で十分です。

あなたの努力次第で、パワエレは苦手な単元から得点源になります。

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