【体験談】ボイラー実技講習を受けて分かった内容・費用・注意点

ビルメン

2級ボイラー技士の資格を取得するには、「筆記試験の合格」+「ボイラー実技講習の修了」が必要です。
実技講習は3日間にわたって行われ、実際のボイラー設備を使って操作手順や安全管理を学びます。

私は日本ボイラー協会・新橋会場で受講しました。
今回はその体験談として、講習内容・費用・注意点・感想を詳しく紹介します。


ボイラー実技講習の概要

私が受講したのは、一般社団法人 日本ボイラー協会(東京都港区・新橋駅近く)の講習です。
会場はアクセスが良く、受講者も全国から集まっていました。

講習は3日間コースで、内容は以下のように構成されています。


1〜2日目:座学(講義)

  • ボイラーの構造・仕組み
  • 燃焼理論と燃焼管理
  • 安全装置の種類と動作原理
  • 労働安全衛生法・ボイラー関連法令

講師は現役の整備士・技士の方が担当し、現場でのトラブル例なども交えて説明してくれるため非常に分かりやすいです。

受講者の多くは男性で、私の回では女性は1〜2名ほど。
やはり工業系資格らしく、ほとんど男性が占めていました。


3日目:実地研修(実技)

最終日は、実際のボイラー設備を使った実習です。

私のときは次のような操作を体験しました。

  • 丸形水面計(鋳鉄製ボイラ)のブロー(清掃操作)
  • 炉筒煙管ボイラのボトムブロー(底部の排出操作)
  • 水面計の構造・安全弁の確認
  • 貫流ボイラーの始動手順の説明

実際にバルブを回したり、燃焼の音を聞いたりすることで、机上の知識が多少なりとも理解できました。

※会場によって扱う機器や実習内容は多少異なる場合があります。


講習でもらえる教材「ボイラー図鑑」が超有用

講習初日に配布される教材の中で、最も役立ったのが「ボイラー図鑑」です。

この図鑑には、実物のボイラーや安全装置の写真・断面図が多数掲載されており、
構造や動作原理を視覚的に理解するのに最適です。

筆記試験の勉強中にも大活躍しました。
「文字で理解できなかった部分が、一枚の写真でスッと分かる」──そんな感覚です。

ちなみに、メルカリなどで転売されていますが、講習で無料配布されるので購入する必要はありません(講習はどちらにしても受けるので)。


費用の目安と受講までの流れ

ボイラー実技講習の受講料は、全国的に見ると25,000〜30,000円前後が相場です。
さらに、資格取得までに必要な全体費用をまとめると以下の通りです。

費用項目金額の目安
筆記試験受験料8,800円
実技講習受講料約25,000〜30,000円
参考書・過去問集約2,000円
交通費数千円〜
合計約4万円前後

講習費は決して安くありませんが、実務に直結する内容なので「自己投資」と考えれば納得できます。
また、会社によっては受講費を補助してくれる制度もあるため、勤務先に確認してみると良いでしょう。


受講の流れ

1️⃣ 日本ボイラー協会の公式サイトで開催日程を確認
2️⃣ 希望する会場・日程で申し込み
3️⃣ 受講料を支払い
4️⃣ 受講票を受け取り、講習当日に持参

受講後は「修了証書」が交付され、これを筆記試験合格後の免許申請時に提出します。


出張試験を活用して交通費を節約しよう

地方在住の方は、出張試験・出張講習の利用がおすすめです。
ボイラー技士試験および講習は、毎年全国の主要都市で実施されています。

例えば、北海道・東北・九州などでも定期的に開催されており、
地元の会場で受ければ交通費・宿泊費を大幅に節約できます。


注意点:関東圏の受講希望者へ

関東近郊で早めに資格を取得したい場合は、
千葉県市原市(五井)会場での受講を案内されることがあります。

スケジュールは日本ボイラー協会の公式サイトで随時更新されているので、
希望する時期に合わせて早めに申し込みましょう。

年に1回ですが、東京でも出張試験をやってますのでこちらをお勧めします。


実技講習を受けて感じたこと

筆記試験だけでは、ボイラーの構造や安全装置の動作を「頭では理解してもイメージできない」ことが多いです。

しかし、実技講習で実際の設備を前に学ぶと、
「なるほど、こういう動きをしているのか」と理解が一気に深まります。

安全弁が作動するときやスチームトラップの音など、テキストで読むだけでは分からない“現場のリアル”を感じることができます。

また、講師の方が口をそろえて言っていたのが、

「ボイラー事故の多くは“慣れ”と“確認不足”から起こる」
という言葉。

安全管理の重要性を身をもって学べた3日間でした。


受講後の流れと免許申請

講習を修了すると「修了証書」が交付されます。
これを筆記試験合格後に提出すれば、晴れて免許申請が可能です。

申請先は各都道府県の労働局または指定の窓口です。
申請手数料(証紙)は1,500円。
1か月程度で「ボイラー技士免許証」が郵送されます。


まとめ|ボイラー実技講習は“現場を知る貴重な3日間”

ボイラー実技講習は、単なる資格取得のステップではなく、
「ボイラーという設備を理解するための体験型研修」です。


受講して良かった点

  • 実機を目の前にして理解が深まった
  • 現場での安全意識が高まった
  • 「ボイラー図鑑」という優秀な教材がもらえた
  • 講師の体験談からリアルな知識を得られた

費用はやや高め(約3万円)ですが、
この3日間で得られる知識と経験は、それ以上の価値があります。

これからボイラー技士を目指す方は、筆記試験より先に講習を受けるのがおすすめ。
実物を見てから学習すると、理解スピードが格段に上がります。

現場を知る“貴重な3日間”、ぜひ体験してみてください。

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