今回は、私が実際に危険物取扱者 乙種第4類(通称:乙四/以下、危険物乙四)に合格した際の勉強方法と使用教材を紹介します。
乙四は、「ビルメン4点セット」(第2種電気工事士・ボイラー技士2級・乙四・冷凍機械責任者)の中でも最も安価・短期間で取得できる国家資格だと思います。
一方で、「一夜漬けでも受かる」と言われた時代はすでに終わりました。
今はしっかり学ばないと落ちる難易度に変化しています。
とはいえ、正しいやり方で1ヶ月あれば十分に合格可能です。
危険物乙四とは?難易度と特徴
危険物乙四は、ガソリン・灯油・軽油などの危険物を安全に取り扱うために必要な国家資格で、消防法に基づいて実施されています。
ガソリンスタンドや工場設備、ビル管理、プラント業務など、幅広い現場で重宝される資格です。
難易度の目安
国家試験の中では比較的やさしめで、
第2種電気工事士と比べると、短期間で合格しやすい部類だと思います。
ただし、油断は禁物。
令和以降は過去問の難化傾向があり、合格率は例年30〜40%前後。
「なんとなく」で受けると、意外と落ちてしまう試験です。
出題構成
試験は以下の3科目から出題されます。
| 科目 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 法令 | 消防法や危険物安全管理の規定など | 暗記中心 |
| 物理・化学 | 燃焼・発熱・化学反応など | 理屈理解が大切 |
| 性質・消火 | 各危険物の特徴と消火方法 | 過去問でパターン化可能 |
合格基準は次の通りです👇
- 総合得点が60%以上
- 各科目60%以上(足切り制度あり)
つまり、1科目でも60%を下回ると不合格。
バランス良く得点することが最重要です。
私の勉強方法:過去問中心で理屈を理解する
私はこれまで多くの資格試験を経験してきましたが、乙四も例外なく「過去問中心の反復学習」で合格しました。
ポイントは、単なる暗記ではなく“理由を理解する”こと。
理解を伴った学習の方が良いですが、危険物乙四の試験はパターンが決まっていますので、繰り返すことで類似問題に対応できるようになります。
学習の流れ
1️⃣ 過去問を1回分解く。全体像を把握。
2️⃣ 問題を繰り返し解く
3️⃣ 間違えた問題だけをノートに転記し、解説を読み込む
過去問を3〜5回繰り返すだけで、パターンが認識できます。知識が定着し、合格に近づきます。
使用した教材と勉強時間
私が使用した教材はこの1冊です👇
『乙種四類 危険物取扱者試験(公論出版 編著)』
(定価:1,870円/ISBN 978-4770329321)
この問題集は、最新の過去問+丁寧な解説+図解付きの構成で、初学者にもわかりやすい内容でした。
独学ならまずこの1冊で十分です。
勉強時間とスケジュール
| 期間 | 学習時間 | 学習内容 |
|---|---|---|
| 平日 | 1〜2時間 | 過去問+復習 |
| 休日 | 3〜4時間 | 過去問+苦手科目の重点復習 |
| 総計 | 約30時間 | 3〜4週間で完成 |
私は平日は帰宅後1時間、休日に3時間程度を目安に取り組みました。
無理のないペースでも1ヶ月以内に合格ラインへ届きます。
独学でも合格できる理由と注意点
「危険物乙四は一夜漬けで受かる」という話を聞いたことがある人も多いでしょう。
しかし、今は足切り制度と問題の難化でそのやり方は通用しません。
実際、私の知人の中にも
私の職場でも、総合得点は60%とれていても、一科目で6割をとれずに足切りになり、不合格になった人がいます。
バランスよく得点しないと不合格になります。
苦手科目を作らないことが最大のポイント
- 法令:暗記中心。数字・条文の整理がカギ。
- 物理化学:理屈の理解で差がつく。
- 性質・消火:過去問パターンで得点源に。
科目ごとの勉強バランスを意識して、苦手を放置しないようにしましょう。
「化学が苦手でも大丈夫」
私は理系出身ではありませんが、化学の計算問題は最低限しか出ません(mol計算くらい)。
重要なのは、「性質のイメージ」をつかむこと。
過去問を繰り返すうちに、
「この液体は水より軽い」「この物質は酸化しやすい」
といった傾向が自然に頭に入ります。
合格に近づく“過去問の回し方”
1回目:全体の傾向を把握
2回目:間違えた問題を分析
3回目:正答率80%以上を目標に再挑戦
4回目以降:不安な問題だけピックアップ
このように回数を重ねると、「出題パターンのクセ」が見えてきます。
試験本番では「この選択肢、見たことあるな」で答えられる問題が多くなります。
テキストは不要?結論:過去問だけで十分
危険物乙四の学習では、基本的に過去問だけでOKです。
市販のテキストを読み込むより、
「出題される範囲だけを効率的に覚える」方が圧倒的に早いです。
私は最初、解説書も買いましたが、結局1冊の過去問集だけで十分でした。
試験では、過去問の焼き直しが多いです。
過去問学習のメリット
- 試験の出題傾向がわかる
- 理屈の理解と暗記を同時に進められる
- モチベーションが維持しやすい
特に公論出版の問題集は、本番形式に最も近い構成なのでおすすめです。
まとめ|危険物乙四は最もコスパの良い国家資格の一つ
危険物乙四は、ビル管理や設備、プラント、製造業など、
幅広い分野で活かせる「実用性の高い国家資格」です。
受験料はわずか5,300円(非課税)。
合格までに必要な教材費も2,000円以下。
ビルメン4点セットの中で最も安く取得できる資格です。
✅ 合格のポイントまとめ
- 過去問中心で学ぶ(3サイクル以上)
- 「なぜ間違えたか」を理解する
- 苦手科目を作らない(足切り対策)
- 1日1〜2時間×3〜4週間でOK
危険物乙四は、ビルメン4点セットをこれから取得しようとする人に、一番最初の資格としておすすめです。
「職業訓練校で何か資格を取得したい人」「ビルメン業界を目指したい」
そんな方は、まずこの資格からスタートしてみてください。
最短1ヶ月・30時間の学習で確実に合格が狙えます。

